風呂敷の選び方
まず、大きさは70cmから90cmが標準で使いやすいサイズです。
45cmはふくさ代わりにも使えます。
ふろしきの対角線に対して中身が3分の1ほどの大きさになるのが
一番きれいに包めるので何を入れるかを考えて選びましょう。
次に大切なのは色です。
風呂敷の色は紫系と赤系、青系、緑系の4つに分かれます。
紫は長寿をあらわす色で慶事やお葬式などさまざまな場面で使えます。
青系はとても身近な色で普段使いとして使えるだけでなく、紺色はお葬式など
仏事にも使えます。赤系は結納や婚礼などの慶事に使用しましょう。
緑系は慶事だけでなくお葬式や法事の席に適しています。
何に使うかに応じて選び方を考えましょう。
年祝いの場合もそれにふさわしい色があり還暦に赤色などは有名です。
慶事やお葬式などは特にその場にふさわしい色選びが大切です。
柄も風呂敷の選び方の重要な要素です。無地に家紋がもっとも正式なもので、次に無地。
派手な柄や模様になるほどオシャレ度が上がっていきます。
正式な場所以外は季節など考慮しておしゃれな柄を選ぶといい印象を与えます。
風呂敷のTPOにあった正しい選び方は大人のマナーです。
風呂敷を贈ると喜ばれる!長寿祝い「百寿」とお祝いの色について
長寿のお祝いは60歳の「還暦」をはじめ、70歳の「古希」77歳の「喜寿」など、様々な種類がありそれぞれにテーマ色というものがあります。
「百寿」は文字通り100歳をお祝いするもので、100年は1世紀であることから、紀寿と書くこともあり、テーマ色は白寿とおなじ白色でも良いのですが、桃色やピンクでお祝いをする場合もあるのです。
その由来は、「ひゃくじゅ」は「ももじゅ」とも読めることからだと言われています。長寿のお祝いには、基本的な作法や伝統的なマナーは特にはありません。
特別なお誕生日のお祝いに位置づけをされるものなので、結婚式やお葬式の時のように「間違ってはいけない」と不安に思うようなルールや決まりはありませんので、安心出来ます。
但し、プレゼントをする際には少し注意や配慮が必要で、通常のお誕生日よりも年齢を意識したものを選ぶようにしましょう。
お年寄り扱いしたものや、不安が連想されるような贈り物は避けたいものです。そんな長寿のお祝いとして、の風呂敷が見直されています。お祝いカラーの風呂敷に、お名前を入れるとオリジナルの品にすることも可能で喜ばれそうです。素材は、絹の他にレーヨンやポリエステル製のものもあります。
長い歴史を持つ風呂敷|包み方の作法は養老3年からあった!
現代の風呂敷は、季節や慶弔時の贈答品を準備する際に多く登場します。
一般的な作法として、結婚祝いのような喜ばしいことは右包みにします。
逆に香典のような弔事に関わるものを包む時には左包みにしています。
風呂敷の包み方と慶事や弔事を関連させる文化は、奈良時代に端を発する由緒正しい歴史があります。
元々は、庶民派左前の襟を禁じ全て右前にすべし、という元正天皇が発令した着物の着方が基になっています。養老3年(719)2月3日「壬戌初令天下百姓右襟」(『続日本記』巻八)に記載があり、一番古い文献証拠とみられます。
この天皇の発令以来、右前の着物の着方が一般化していきます。現在でも死者の着物は左前、着物を着るときの作法は男女問わず右前と言う習慣が続いています。
やがて歴史の流れのなかで、右前が一般化したことからその逆である左前は不吉であると連想されるようになりました。
平時と違うことが不吉である、生きている人と死者を区別するものとしての左右を使うようになっていきます。
このように風呂敷の包み方は奈良時代から連綿と1000年を超えて続く伝統なのです。
右前左前と言う表現だと、自分からみた時なのか鏡をみた時の見た目の話なのか迷うところです。
風呂敷でいう所の右包みは、自分自身の右手側が包んだ際に一番上になる形です。
結納目録、結婚のお祝い、慶弔金封包などを包む時は、風呂敷の端を結ばずに右手側の端が上になるように最後にします。
また下に落ちないように包む形が縁起担ぎに繋がりますので、左手側から包み始め、上部を折ってから下部を折ってから最後が右手側となります。
悲しい場面で使う左包みの場合は、全く逆の順番で包むことになります。
すなわち左右の違いだけでなく、悪いことは下へ流してしまえるようにと上下についても逆に包んでいきます。
最初に右手側をおり、次な下部を折ってから上部を折り込み、最後に左側になります。
左右で慶弔を区別する風呂敷包みの場合は端を結ばない平包みといわれる形が一般的です。
ただ現在の風呂敷は日常の中でも使われており、あまり左右を気にすることはなくなりました。むしろ、再利用可能な袋の代わりとして使える点が再評価されています。
包むものの形に合わせることができる風呂敷は、ワインや日本酒のような瓶だったり、形の定まらない衣服などを包んで運ぶのに最適なのです。
平包みの伝統とは違いますが、これもまた風呂敷が我々日本人の生活に馴染んできたがゆえに生まれた新たな文化と言えるでしょう。