ファッション界で注目されるサステナファッション
これまでの衣服を作るファッションの世界では、季節ごとに流行が過ぎ去ったら
廃棄される流れです。その流行が過ぎ去ったら捨てられる形は、
まだ使える素材を捨てることになり無駄な浪費として問題化します。
ファッション界も作って流行が過ぎ去ったら捨てられる形の変換の模索が始まり、
その取り組みの一つがサステナファッションです。
この取り組みは世界規模の取り組みとなっているSDGsの一環であり、
素材の生産から衣服の製造そして廃棄と再生を一元管理化する取り組みになります。
これまでのファッション業界は、生産と製造そして廃棄をそれぞれの分野で個別化しています。
個別化自体が悪いわけではないですが、廃棄を別の場所で行うことによって
まだ使える素材までなくしてしまうことにつながっていたのです。
ただ素材は有限であり、今までのように何でも廃棄をすることを行っていれば
気候変動などの影響で得られなくなったときに作れなくなってしまいます。
そこで世界の産業の取り組みとなっているSDGsの考えを取り入れることにより、
個別化していた廃棄の部分まですべて生産者側が管理するようにしたのです。
生産者側が廃棄まで管理をすることで、使える素材と使えない素材を分別できます。
そのため使える素材を再利用することによって、ファッション業界も持続ができる産業という可能性を生み出すことに成功します。
自然と取り組みをしていた日本の文化
ファッション業界で広がる世界の産業の取り組みとなっているSDGsの考え方ですが、
日本はすでにSDGsに取り組んでいると社会的な模範として賞賛を受けています。
そのSDGsを表現する代物というのが、日本の織物文化の象徴も言える風呂敷です。
風呂敷は銭湯に行く際に、着替えや体を洗う道具を持ち運ぶために用いた織物です。
なぜ風呂敷が世界が称賛する取り組みなのかというと、この風呂敷を作成するときに
着物など別の織物をほどいて作り直す再生糸で作るリサイクル技術で成り立っているからです。
日本の着物などの織物は、蚕から作った生糸や綿から作られた貴重な素材でできています。
これらの天然糸は天候などの左右されるため、毎年最高の状態で収穫できないことを理解していたのです。
そこで生産者側がせっかくの素材を捨てないために、風呂敷を含めた
すでに利用されている織物全般を回収し、丁寧にほどいて洗浄して再び使うということを定着させていきます。
その結果として状態の良い糸を利用することで見た目にも美しい風呂敷になるだけでなく、
再び汚れて使えなくなったらまたほどいて作り直すということで完全に使えなくなるまで
再利用できる工程が出来上がったというわけです。
これらの点から、風呂敷は世界の産業の流れの理想を表現するものとして広まっています。